●あとがき●


 ようやく終わりました。今回は本当に、いつになったら「完」の文字ところへたどり着けるのか、大変でした。
しかも「完」に相当する章をはじめからアップしていたので、やはりその重圧がすごかったです。 こういうことは、やるもんじゃない・・・・と思いましたです。 まあそれでも楽しい苦しみではありましたがね。書き上げた今は、そう思います。剣心や左之助はまだいいんですが、こんなの蒼紫じゃないとお叱りを受けたらどうしようとか思っておりますが。

まあしかし、着想のはじめは、やはりOAVシリーズですねぇ・・・・・これが私も好きではあるんですが、絶賛されるほどいいかというと、追憶編はオチがもひとつだし、 星霜編は 戦闘場面が少ないし―――かねてからそう思っていた私は、原作の人誅編をもう少しアレンジしたら、もう少し面白くなるのでは、と思ったんです。四神とか出さない方向でね。まあこれは私・おだまきのアレンジであるということなんですが。でも、冒頭で剣心と巴が戦っているのを見ただけで、もうこの話はいやだと言う人がきっとおられるだろうと思います。ええ。そこんところ、大丈夫という人は、この先もまた蒼紫の小説をひとつよろしくお願いします。はい。

今回はしかしBGMがどうのとか、言える状態じゃなかったですよ・・・・・とにかく最後まで書かないとと思っていたから・・・・・でも今はそうですね、ラフマニノフのピアノ協奏曲の三番なんか、この「屍乱」にはあうんじゃないかと思います。二番ほど華やかな曲じゃないんですが、しみじみといい曲でね。物悲しい感じがいいんじゃないかという事で、これから自分で聞くつもりです。宗教的で美しい、第二楽章が特に好きですね。いやしかし、島原編の時はこんなに悩まなかったですよ。この「屍乱」は、出てくるキャラクターがそれぞれの立場を自己主張しはじめたので、まとめるのに苦労しました。島原編は、なんというか、そういうキャラの内面にはあんまり踏み込んでいませんでしたね。蒼紫以外は特に。活劇に重点を置いていたのでね。今回のものは、心理ドラマみたいな方向性になっています。これから先も、自分が書くのはこっちの方向だなあと思います。おぼろげながらに、ですが。あ、勝手にあの曲がいいなどと言って、ラフマニノフのファンの方およびラフマニノフ先生どうもすみません。恥ついでに言いますと、タイトルの「屍乱」というのも、大沢在昌さんの推理小説「屍蘭」から考えています。なんか響きがきれいで、「かばねらん」と読ませると、ビゼーの名曲カルメンの「ハバネラ」となんか似ているのでいいかなと思って・・・・・・あれも自分を誘惑する恋人を殺す男の話なので、今回蒼紫は偽者の巴を殺す話なので、ね。そんな裏話があります。

最後になりましたけど、御堂茜はどんな容姿だったかと言いますと、原作の「ちゃうちゃうガールズ」の中の、蒼紫のことを「でも暗そうだけど、二枚目」と言っている、めがねをかけたお下げ髪の女の子、これです。このイメージで書きました。ということで、原作のその場面の絵を参考にしてくださいな。

それでは、また新作でお会いいたしましょう。

2006.1.31      おだまきかこ


戻る