心の声で――――
「お嬢さん・・・やってらっしゃるね・・・・まあ現実というのはそうしたもんだからな・・・・。」(冷たく笑って去る蒼紫)
恵、必死で阿片を作っている。
会津藩。
るろ剣の中でこの藩ははっきり言ってとても重要だったりします。私はさほど思い入れがなくとも重要で・・・・。斎藤が新撰組時代から世話になっていること。まずこれがひとつ。そして恵さん。元御典医の娘なんですね。で、この恵さんと蒼紫が和月さんの原作での端書にお似合いだとありましたけど、私、この二人には上記のような関係しか想像できません。幕末から考えていくと、どうしてもこうなってしまう。蒼紫のイヤな面がにじみ出てますね。
まず蒼紫がこのテの女が嫌いということと、少年まで切腹させた会津藩の武士の倫理が嫌いだということ、東洋医学から儒学全般が嫌いだということ・・・・そんなワケで、うちの蒼紫はどうしても恵さんを軽蔑しております。決して恵さんが悪いわけではなくとも。
多分、蒼紫は「女」としての恵さんは嫌いではないでしょう。ルックスとか美人ですから、観柳邸で何かあったかも知れないと私は思っていて、小説でもそのように書きました。ただ、蒼紫にとって、安らぐ女性かというと、疑問に思います。恵さんは、蒼紫をやはり、元御庭番衆ということで、剣心ら維新の志士よりは低く見ていると思うのです。同じ幕府側についていた人間ですが、原作を読んでいると、そういう恵さんの残酷さがよく伝わってきます。つまり、両方ともお互いに「軽蔑」している関係なんですね。
こういう事を書くと、蒼紫恵のカップルの人には悪いのですが、上記のようにおだまきは原作を読んで感じました。それでも、蒼紫×恵というのは、全く成立しないのではなく、そういう軽蔑を含んだ上でも関係を持つことができるというのが、大人のいやらしさなんだな、と思います。多分純心で子供な操には、何故蒼紫が恵と関係を結ぼうとしたのかは、理解できないし、したくもないでしょう。私はこの恵さんというのは、『源氏物語』に出てくる、六条御息所だと思っています。操ちゃんは言うまでもなく、紫の上でしょう。ただ、恵さんが六条と違うのは、左之助という理解者が現れたことでしょうね。OAVでは左之助は中国大陸に渡ったままですが、いつの日か必ずや恵さんのところへ戻ってくると信じてます。ええ、私は左之助×恵なんです。
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