◆我が愛しの妲己ちゃん◆

私は妲己ちゃんのこのバージョンが大好きです。第六部の「殷の太師」で少ししか出てこないのだけど・・・とにかく可憐でいじらしくて、本当に大好きです。紂王に「姜妃が一番の美人だ!」と言われてしまうのですが、ご本人の知らないところで「美人だ」という噂を立てられたあたり、マンガ評論でも書きましたが、ギリシャ神話のカシオペア王妃の話のよう。だから、どうしても本当の美人の竜吉公主はこの妲己ちゃんの生まれ変わりでは・・・なんて考えているのですが。(うー・意味不明)
さて、そんな妲己ちゃんを描いた小説は数々あれど、比べてみたいのはやはり、宮城谷昌光先生の「王家の風日」と狩野あざみ先生の「天邑の燎煙」。
どちらの妲己ちゃんがいいか、どちらの紂王さまがいいか、比べてみました。

◆どっちの小説でショー?!(すいません、ネタバレです。イヤな人は見ないで!)

       王家の風日 天邑の燎煙
紂王の一人称 予(悪魔王子?) 余(宇宙海賊?)
紂王の性格 傲慢 冷徹
紂王の少年時代 あり。少年時代は美少年。 なし。正室を失い、やもめになったところから始まる。
妲己との出会い たくさんいる後室の中から、酒池肉林の祭祀で落雷に会い、気を失った妲己を妻妾に選んだ。 人質としてとった妲己を女官として使っていたが、正室が亡くなっていたので妻に迎えた。
残虐刑の有無 全部あり。 なし。伯邑考の話もなし。
妲己の性格 ナゾが多いが、冷たい。怖い。あんまり美人でない。何もしない。 凛とした美少女。紂王が留守の時には戦争にも出陣。
王の生活 贅沢 東方との戦争で遠征の毎日
失脚の原因 妲己との情事に溺れて、周の動向に動かなかった。 周に祭祀の道具を周に持ち去られた。

うーん・・・・個人的には「天邑の燎煙」だなあ。これ、刑罰とか全然出てこないのだけど・・・こうしてあらためて比較してみましても、「王家の風日」はちょっと紂王妲己ファンにはつらいですね。
この二冊とも文庫本で出ているのですが、装丁とか似ていて、後から出た「天邑の燎煙」は、なんとか宮城谷先生のようにポピュラーに売れたいと努力しているみたいです。こっちの方がいい本なんだけどねぇ・・・知っている人が少ないのが、残念なことです。
封神のサイトをいろいろ回りましたけど、「天邑」の方を読んだと書いている人は少ないですね。
だから、私もこうしてレビューを書いているわけですが・・・。ただ、どちらの本にも残念ながら聞仲は出てきません。
聞仲ファンにとっては聞仲の出ない封神なんて、クリープを入れないコーヒーのよう?かもね。

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