(著作権がヤバそうだから、マンガのコマは削除しました。各自でどのコマのことを言っているのか、コミックスで探してみましょう。
それもまた一興ですよ。)
「はい。こんちこれまた。ということで、蒼紫×巴でーす。まずは和月センセの原作から・・・・これは観柳邸のシーンですね。」
「私怨・・・・あるやろ・・・・セリフはない、って言っているけど、顔が私怨まみれの顔してます。こんな人に夜中に枕元に立たれたら怖すぎる。やっぱりこれは巴がらみですよね?!」
「そりゃ、維新志士でいっぱい幕末に幕府の役人斬ってるだけじゃなくて、自分の好きだった忍びの女を斬ってますからね、剣心は。」
「蒼紫にとっては、はぢめての恋っつーか、周囲もあの子やろ、とかよけいな事を言わない環境で初めて好きになった巴なのに・・・。」
「そーなってくると、蒼紫、縁とやってることがほとんど変わらないという困った事態に陥るんですけど、縁と違って彼の場合冷静ですから、こうやって確実にターゲットを追い詰めていくわけですよ。表向きは『最強の華』っていう事にしていてさ。ひょっとことかべしみとか、場合によっては般若なんかも、『最強の華』=操って思っているから、御頭は今日も御頭さんなんですねぇ、って安心しているんだけど、実は全然違う。」
「いやワッキー、結構そのつもりで描いてますよ、蒼紫のこと。蒼紫の孤独は子供にはわかんねぇ、って感じでさぁ。」
「だから『失せろ。二度と俺に近づくな。』っていう、操ファンにとっては、涙のセリフが彼の口から飛び出すわけですね。」
「いや、小説でさー、私も蒼紫操だったとき、すっごいこのセリフ悩んでねぇー、もうどうしたら辻褄が合うかわかんないから、結局蒼紫にはロリコンになってもらいましたよ。操の幻影を連れて・・・そっちの方が大事だったから、という回答にしました。まあそれもまたひとつの見方なんですけど、実際はそーじゃないよな。」
「違いますね。もう操は自分にはいらないっつーか、そういう素直な気持ちだったんでしょう。でも自分の好きな巴はいないしさぁー、縁みたいに姉ちゃん姉ちゃんってことで剣心に復讐を叩きつけるのも、自分としては違うって思ってるし。」
「でもいつか、すごい復讐をしそうで、蒼紫って怖いですよ。星霜編の梅毒菌を剣心に注入していたのかも・・・・。」
「あー、それは私も考えた。『無限の住人』でさー、天津甘栗が破傷風になった時、刀を肥溜めに入れておいて、それで刀傷を作って・・・という方法があってさ・・・でも問題は何処から梅毒菌を仕入れるかということでしょう。」
「自分がなったらダメだしねー・・・・しかし梅毒って友達に電話でるろ剣知らない人に言ったら、爆笑されちゃってさー・それはすごい、って感心されちゃったよ。剣心の梅毒はしかし、巴の白梅香の梅つながりだねー。」
「絶対、旅先で巴みたいな女にまたひっかかって、一夜の契りを結んだんですよ、剣心。」
「そいつがきっと、蒼紫の手配した闇の女なんですよ。多分そうだ。つながった。」
「それ以前に、星霜編を考えたスタッフって、どう見ても巴に手を出した剣心を許せなかったから、という気がする。もう心情としては蒼紫と一体化して作ってますよね。私、ネット上で古橋監督の星霜編を作った理由みたいな文章を読んだんですが、もうひとつの哲学の域に達していました。贖罪という言葉が、文章の中に何回出てきたかわからない。」
「くどくどくどくど、剣心は罪を償え!!!っって書いてるわけですね。だったら剣心に巴を抱かせるなよ、と言いたいところですが、そうもいかないわけでして・・・・・ははははは。」
「いや巴はあの時、相手が剣心と思っていません。スタッフも多分剣心のつもりじゃありません。心の中で『私の相手は蒼紫なのよっ』って顔している場面があってさ・・・・・。」
「えっ、そんな場面ある?」
「あのね、剣心の服を脱がせる場面で、巴さん、何かすごくイヤそうな顔で目を閉じているんですよ。ほんの一瞬なんだけど、なんでスタッフあの顔を入れたんでしょうね?眉毛が明らかにつり眉で怒った顔しているんですよ。」
「はー。そら言わずもがなですな。剣心と抱き合うのがイヤだったんでしょう。顔で笑って心で泣いて・・・・。」
「そういう『サムシング』みたいなものがある作品って、やっぱり芸術だと思いますよ。追憶編は私、芸術だと思いますね。」
「まあしかし、大多数の剣心巴ファンにはそれは見えてないんでしょうなぁ。」
「映画とかたくさん見ている人なら、こういうのわかると思うんだけど。って私もそんなに映画を見ているわけじゃないですけど、気づくように作ってあるから。ただ、第四話はあの作品、失敗していますね。原作どおりにやっちゃったから。巴が闇の武のオヤジと対決する場面は。」
「あの場面、巴が何言っているのかよく聞き取れないんですが。」
「そこにスタッフの自信のなさを見てとれますね。結局刀で剣心の顔に傷をつけるだけにとどめちゃった。」
「まー、でも最初見たときは、かなり思いきったように思えましたけどね、あのラストは。原作では傷は偶然につくんだから。」
「ちょっとここで息抜きに、ワッキーの美しいコマをあげてみました。なんかもうね、このコマふたつ並べてみたら、もう『芸術作品』って感じがしますね。いや私も並べて鑑賞するまでは、『なんか似てんねー』ぐらいにしか思ってなかったんだけど・・・・こうして実際に並ぶといろいろ見えてくるので面白いですな。」
「まずまわりがベタと白で、逆ですよね。背景のトーン処理のグラデトーンこれ、おんなじ番号のヤツじゃないかなあ・・・人物が下のコマだけロングになっているのも同じだし、左側のコマが剣心なのも一緒。コマの形が同じなのは言うまでもがな。」
「いやだからさ、泣いてる巴がよりかかってる黒塗りの人が、場合によっては蒼紫に見えてきますね。並べて見ると。錯視の世界で。」
「うんうん。ジャンプってこういう作品が載ってるから、面白いのねー・あの雑誌は。最近ヤオラー御用達の雑誌になりさがっているけど、もっぺん『るろ剣』『封神』レベルの深い作品を作ってほしいっす。」
「そうっすね。それはさておき・・・・・そろそOAVの鑑賞会とまいりましょうか。」
「それにしても蒼紫、この場面では屈辱にまみれていたんだろうなあ・・・・・剣心をこの方法では倒せない、ってわかってさ。」
「『下法の者を殺めるなよ。』それは忍びとして生きるな、って諭されているわけですからね、剣心に。もうムカッ腹が立ってしょうがない状態だったと思いますよ。」
「顔がそういう顔しています。」
「まあ蒼紫は東京まて巴の日記を無言で運んだことですし、操には一切何も言わないと思いますが、ある日突然、旅立っていなくなるような気もしますね。」
「あー、操の前から?あるある。やりそうですよ、蒼紫。」
「操あの性格だもんね。蒼紫のこと、表面的にだけ好きじゃないですか、操って。カッコイイから、とかそういう理由ですよね。」
「優しいって一応言ってはいるんだけどね・・・・・言動を見ていたら、とてもそうとは思えない。なんだよ、あの『ブラボー』って。」
「あの蒼紫が四神を倒した場面の操には、恵さんじゃないけど、私もひっかかるものを感じたなあ。」
●OAV第一話・「斬る男」
「突然ですが、私ヤフオクで手に入れた、香港版の『追憶編』DVD持っているんですよ。オープニングとエンディングのスタッフロールがすべて英語です。パソコンだと視聴できません。」
「海賊版の話はあんまりしないほうが・・・・。」
「でも正式なやつのビデオBOX持ってますから。本当はDVD−BOXで、脚本がついているやつほしかったんですが、既に後の祭りでねー。」
「まああの脚本なら、あんまりいらないって気がしますね。どうしても確かめたいセリフとかあるわけじゃないから。」
「さて、『斬る男』ですが、このしょっぱなで比古師匠が夜盗を切り捨てる場面の感じとか、夜盗が女子供を残酷に殺すあたり、すっごくしびれましたですよ。ホント手加減なし、って感じで。私の小説『暁』も、最初の章はこういう感じで書いていたから、あー趣味が合うなあ、って。」
「でもこの回残酷すぎる、って言われたから、その後剣戟シーン押さえたとかいう話ですよ。」
「あー、そうなのか。ガキの剣心って、目が丸いねぇ。」
「なんかすごいびくびくした子供に描かれてないですか、剣心。この子があそこまで立派に成長するとは、到底思えない。」
「おびえた表情がなんとも言えない。比古に『おまえには俺のとっておきをくれてやる』って言われるセリフ、全然別のやおいな意味にしか聞こえなかったりします。ああーオレたち腐ってるのか。」
「そのネタ、比古×剣心の人には耳にタコですから、いまさらですが、もうダメ出しでも言いたくなるぐらい受け受け剣心ですな。」
「剣心ってところで仏教徒ですよね?なんでお墓の形、十字架なんですか。」
「裏設定で伴天連だったりしてな・・・原作ではただの卒塔婆の棒だったのに、なんででしょうね。」
「重箱の隅をつついておりますが。それにしても、スタッフ狙ってますね。桂小五郎の『高すぎる・・・・ほしい』とか、これも全然別の意味に聞こえてきますよ。高いって何がだよ、いやらしいなぁ、こいつら。」
「ああそうっすねー、桂×剣心ってのもジャンルであったよねー、懐かしいなあ。」
「なかなか巴さんの話にならないんですが、巴、どうして剣心と同じ酒場にいたんでしょうね。」
「そりゃあ巴さんも『忍びの女』ですから、夜は由美かおるみたいな格好で、剣心の動向を探っていたんですよ(笑)。そんで蒼紫が鍛えてますから、下のほうも。」
「なんだそりゃー。蒼紫と何発ぐらいやったと思います?」
「故山田風太郎先生なら、巴の猛烈修行教室絶対書いたと思いますけど。そんでヘンな老人とか出てきて、手とり足とり巴と蒼紫に教えるんですよ、四十八手。確か忍法シリーズでそんなんがあった。」
「巴の場合、あそこが武器なんですが、この画面だけ見ていると、忍び装束に身を固めている巴、ってのは想像つかないっていうか。」
「それが巴の作戦なんですよ。いつもはあの格好でいててね。このラストでぼーっと立っているのも作戦ですよね。ここで気絶!!!っとか考えているわけですよ。」
「すごい巴さん。やるなぁー。」
「そりゃ仕事前にぐーっと一杯入れてるような人ですから・・・・ぐーっと一杯とか、私なんか全然やりませんよ。あれは景気づけというか、これからイヤな剣心を落とさなければならない、という非常にビジネスライクな酒ですね。」
「勤め帰りに一杯ひっかける、とかそんな感じだったんですね。いやー原作では『冷で一杯』とか言ってるセリフ、単に色っぽいあだな女を演出しているだけかと思っていたんだけど、やっぱり巴さんそうきましたか!」
「やっと『血の雨を降らせるのですね』、ってセリフのところにきましたが、これってなんか下情報がないと、こういう言い方にならないと思うんですよ。」
「あーならないねぇ・・・すごい詩的な表現じゃないですか。本当に残酷に殺すのですね、とか普通だったらそういう表現になると思うんですよ。だからそれは、巴の中で何度も咀嚼された表現だから。一応清里が殺されたときに事を記憶においていて・・・っていうのがこの話ではあるんだけど、私はオリジナルで蒼紫のことにしちゃいましたね。」
●第二話「迷い猫」
「この回は、巴さんの美しさが全開の話です。一番綺麗に描かれていると思う。」
「あの花菖蒲の花を見て、ちょっと顔を曇らせるところとか。」
「いいですねー、花菖蒲って花の色が青紫色しているじゃないですか。第三話でススキ生けているときより、こっちの方がいい。おかみが思わず『泣く』とか言ってしまうような。おかみやっぱり年季が違いますね。すぐに見破っている。剣心とは全然違う。」
「青紫は蒼紫の色〜♪この回は、障子がやたら写るんですが、こういう時代劇映画があったそうで。」
「障子越しに映すの、確か円月殺法が出てくるヤツのでありましたですよ。その映画ちょっと退屈だったんで、最後まで見なかったんですけど。なんかそういう日本映画へのオマージュっていうのかなぁ、それがすごく感じられます。」
「この『迷い猫』っていうタイトルは、新撰組の沖田総司のエピトソードから来ているんですよね?」
「ああ、『黒猫がどうしても斬れない』って言って死んだという伝説の。巴は怪しいんだけど、簡単に切り捨てることはできない、っていう剣心の心情ですかねー。」
「そりゃ美人でおさんどんやってくださる女が入ったんだから、まあ剣心のような少年には、怪しくても惹かれる気持ちが強いでしょうな。」
「この場面、なんでしょうかね?仏壇の前で巴が刀を抜いているの。」
「イメージショットなんでしょうけど。清里の位牌の前でだろうけど、仏壇で刀なんて抜きますかね?
なんか男の人の手で、巴の懐剣を抜いているのが入るんですけど、あれは蒼紫ですよ。仏壇→禅寺つながりということで。あと、誰かが巴の首に刀を立てる場面もよくわからない。これ、剣心っていう風に見えないんですよ。」
「最後は剣心だってわかるようになっているんですがね・・・・まあそんなわけで、私はあの懐剣を蒼紫からもらったものという風に小説では書いたんですが。」
「なんかそういう下地がないと、ちょっとこのイメージシーンはつらいよね。何の意味だかよくわからない。」
「ていうか、そういう裏設定がないと、『追憶編』ってすごい苦しいんですよ。ただの平板なミイラ取りがミイラになった、ってだけの話だから。」
「それ言えてますねぇ。巴がいくら綺麗でも、なんかそういうあたり考えないと、食い足りないですよ。」
「清里とは巴、幸せだったんですかね。」
「清里が死んだときに、なんか植木鉢を持って立っている幻影が出てくるのって、正直言って怖かったですよ。懐かしさ慕わしさよりも、不気味さが先に立った演出だと思った。」
「あー、アレね。首から上が写ってない巴。」
「巴、清里のこと好きだったんですかねぇ・・・・仏壇で刀って抜くかなぁ・・・。」
「どーでもいいけど、巴はまあいいとして、剣心は当然のように酒を飲むなと言いたい。まだ子供だろっ?!巴もそう思っているだろっ?」
「向かい合って座っているのを見たら、巴のほうが背が高いんですよ。巴の座高が高いのかも知れないですが。」
「しかし巴、剣心に『見届けたい』って言ったと思った次の瞬間、いやいやと首を振るのは、あのセリフを言う前は幕府方が勝つと信じていたんでしょうか。」
「幕府方が全員剣心に切り殺されて、ヤバイと思っていやいやをする。役者だのー。巴。」
「巴なりに計算しているんですよ。しかし、斎藤って詰めが甘いなぁ。なんでそこで剣心を追い詰めない。」
「エンディングでも戦っているんですが、剣心にはまた逃げられたと見ました。逃げの小五郎、逃げの剣心(笑)。」
「まああの『狂い咲き』とか言っているのを見たら、蒼紫と巴の噂をひょっとしたら、知っていたのかもねーと思いますね。それをネタに斎藤は蒼紫をねちねちといやらしげにいたぶるんですよ。」
「まあやおい本ではそうなりますかねー(笑)。しかし、小道具で巴の青紫の傘とか、青紫の布とか、うまく使っています。」
「あー、桂のセリフで『御庭番衆』のしわざかも知れん、とか言う場面で巴の傘を触っているのとか。」
「いや映画のノリですね。ああいうの、『THE八犬伝』でもあったんで、スタッフ参考にしたんじゃないですかね。」
●第三話「宵里山」
「巴の下の威力が試される回です。」
「巴の下の威力はすごいからねぇー、剣心雪道を引きずられて敵のアジトまで吸い寄せられるんですよ。」
「そうそう。見えない吸盤に吸い付かれてね・・・・でも蒼紫の場合は、それを上回るでち棒があるから大丈夫(笑)。タコの足は余さず叩きのめします。」
「巴『すごい・・・こんな男はぢめてv』。さて、巴のモンペスタイルどう思います?」
「すっかりぬかづけの女になっていますね。オープニングで、恵みたいに紅さしているかと思いきや。農民。」
「『君との暮らし』云々とか剣心は得意になって言うんだけど、野菜が全部しぼんだだけで、大ショックを受けている巴が、農民の暮らしを嬉しく思っていたかというと、疑問ですな。」
「巴の野菜への優しさを演出しているのでしょうけど・・・・影では『せっかく食べられると思ったのに。売れると思ったのに。』って思っていたかも知れない。」
「いやー思ってるよ。絶対思ってる。巴だから、トイレでだいぶイヤになっているんですよ。」
「アレはなんか生理だとか書かれていましたけど。」
「いや、生活に疲れてますね。剣心との。生理の血を見て、だいぶイヤになっている。剣心が手を出さないからじゃなくて、蒼紫と暮らせないから絶望している。」
「巴の気持ちが痛いほど伝わってきます。せっかく闇の武に入って、下のほうも鍛錬したのに・・・・こんな子供とやらないといけないなんて、という。」
「剣心が『君を守る』とか言ったのを聞いたとき、すごい巴は驚くんですが、これはいよいよ剣心と寝ないといけない、とわかって驚くんですね。ええっ、やっぱりやるのー???みたいな。」
「そのうち、『おまえ役たたずだから』って任を解かれて、蒼紫が剣心を倒しに来てくれたらなあ、とか操みたいなことをきっと巴は考えていたんですよ。」
「ホントに蒼紫ナニやっていたんでしょーね。まあ御庭番衆で忙しかったからなんでしょうが、こういう遠距離恋愛って見ていて泣けてくる。」
「巴は剣心を蒼紫だ、って思って身を投げかけているし。あの時、髪留めが外れるのって、スタッフのせめてものお情けですね。こっから先は全部これは恵です、っていう。」
「そうか、アレは全部恵だったんですね。なんつって。でもこのアップの巴さんの唇のセル画、すっごく美人だよー。」
「なんかささやいているんですが、『け・ん・し・ん』って言っているように見えないんですが。、これ三文字っぽくないですか。『あ・お・し』?」
「唇の動き方が四文字じゃないみたいですね。言われてみれば。ま、どーでもいいことかも知れないですが。しかし、やった後の巴、やけに健康的な肌の色してますねぇ。なんか操みたい。」
「そーじゃなくて、巴も忍びの女ってことをここで表現しているんですよ!!」
「なるほど。どっちにしろ、原作と違って、『あーあ』って顔で扉を閉める巴、任務完了っと心の中では叫んでいると見た(笑)。」
●第四話「十字傷」
「この回はなんか、闇の武の辰巳のセリフがよくわかんないんですが。」
「なんか業とかなんとか説教しているんですが、ただの若者を説教したい老人の習い性でしょう。巴の口に手を突っ込むあたりは、いやらしげでよかった。」
「オーラルもやったな、って言いたかったんですよ、辰巳は。」
「そうだよね、あいつ手を突っ込んだだけですから。本当に舌を噛み切らせないようにしようと思うのなら、猿ぐつわをかませないと話にならない。ただちょっとスケベ心が動いただけじゃないですか、このジジイって。詰めが甘い。」
「巴も本当に死ぬつもりはないから、そのことはお流れになってしまう。」
「巴、結局剣心にも斬られるつもりはなかったんですよね?」
「そりゃ斬られたくなかったんでしょう。なんとなく、辰巳が気に入らないから、この戦いをやめさせたくなっただけですよ。あの描かれ方見てたらそう思う。『やめて』とか、全然言わないんだもの。清里の幻影場面とか、出てはくるんだけど、なんか機能してない。ただのイメージシーンですよ、あれ。ただ、巴の切羽詰った気持ちは表現しているとは思うけど。」
「まあしかし、剣心は捨てたはずの青紫の巴の布を持っていたり、巴は瞬間移動で辰巳に斬りかかっていたり、突っ込みどころは満載ですな。」
「誉めないといけないっすよ。あの闇の武の中条はよかったっすね。ああいう、見てくれが蒼紫に似たキャラについては、注意して見ているんすよ。はっきり言って剣心よりカッコイイっす。手裏剣投げる場面とか、中条の方に感情移入して演出していますね、とかあるから。」
「あー、中条ですねー。なんか雪食べてるのが、息を白くしないためとか言われてますが、それはおそらく、蒼紫がすでに巴を食べていたことを表現していると思いますよ。」
「そういうの映画でよく出てきますですね。直接的に描かないで、日常的な動作で表現するの。中条は死ぬときに泣いてたりしますし。他にいるそういうキャラは、敵方なんだけど、高杉なんかもそう演出していますね、明らかに。」
「まあしかし、巴が辰巳を殺さないといけないと思った理由は、剣心が剣客として弱くなるからじゃなくて、蒼紫の障害に自分がなってしまったという、御庭番衆内の勢力争いからでしょう。裏設定では。」
「剣心はそれを誤解したまま、ずっと生きていくわけですな。」
「飯塚が最後に殺される時、『検分かよ』って言うじゃないですか。だから御庭番衆も、『カムイ伝』みたいな、内部で激しく争っている集団だったんじゃないかと思います。辰巳のセリフの裏とかも考えると。」
「あーそうだねぇ。原作では飯塚のこのセリフは、刺客を差し向けたのは桂小五郎だって、はっきりわかっているセリフになっていますね。それだと簡単なんだけど。」
「しかし辰巳は原作と違って、剣心ぼこぼこにしていますなぁ。最後なんであいつ、巴の懐刀なんかで斬りかかったんですかね。」
「まあそりゃ油断したんだろうけど・・・・・ちょっと刀が小さすぎます。蒼紫から渡されたと聞いていて、つい手が出たのかも知れません。(笑)」
「で、『よくも私も斬ったわね。』ってことですが、巴は剣心に刀傷つけちゃう。そう考えると、剣心の刀傷にも味わい深いものがありますよ。蒼紫、剣心の傷の由来知っていたのかねぇ。」
「あの人は地獄耳ですから、知っていたんではないかなあ。まあとにかく、『私のことを忘れないでね』って意味で巴はつけてないですよね。剣心のこと、好きじゃなかったんだから。」
「まあ、『かわいい若者』で、辰巳や中条とかよりはマシぐらいな位置づけじゃないですかねー。しかし大多数の人は、巴が微笑んでいるので、原作通りに『泣かないでくださいな』って言っているものと思うんでしょうけど。アニメは絶対そう作ってないもんね。」
「蒼紫が渡した懐刀で剣心の顔に、婚約者を殺した傷の上に傷をつける。うん、すごく綺麗にまとまってますよ、それ。」
「巴、蒼紫のことがよっぽど好きだったんだねぇー。最後までそのカードを伏せて話を終らせた、アニメ版のスタッフはえらいですよ。」
「アニメでもこういう事ができるんだな、って感心しましたです、はい。剣巴の人は言いたいことがおありでしょうが、それでは。」
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